AOS(Animation On Scroll library)
を使ったアニメーション
2016年から訪れた美術館で気に入った作品のポストカードを購入し、その裏に感想を書いています。
これまで収集した144枚のポストカードから34枚まで絞り込み、jqueryプラグインのAOS公式サイトで使用されているアニメーションを全て使ってまとめてみました。
美術館の展示のように作品ごとに感想を添えたキャプションも作ってみたのでご覧ください。
作者、作品名、来館日、感想という順に書いています。
ナビゲーションメニューはAOSのアニメーション名を使用しております。
スクロールして楽しんでもらえたら幸いです。
Vincent Pen
SCROLL DOWN
『自画像』
2016年10月22日 デトロイト美術館展
(上野の森美術館)
世間一般ではゴッホのひまわりが人気だが、個人的にはゴッホの自画像が好きだ。どこまでも絵を探求していこうとする意思の強さが青い瞳に込められている。当時モデルを雇うお金がなかったので鏡を見ながら自分と向き合ったゴッホ。孤独な背景が表情に憂いを与えている。創作の喜びと苦しみを背負った孤高の天才の自画像に熱いものを感じる。
『ブドウの収穫、人間の悲惨』
2016年11月3日 ゴッホとゴーギャン展 (東京都美術館)
ゴッホがこよなく愛した画家ゴーギャン。フランスのアルルで2人は共同生活をするのだが、わずか2か月で終わってしまう。このとき、ゴッホはゴーギャンのためにひまわりを描いている。展示会では同じテーマで描いた2人の作品が比較されるように並べられていた。それぞれの視点で捉えた風景や人物の違いが興味深かった。このポストカードの作品は実際には存在しない物乞いの女性をブドウの収穫の真ん中に置き、人間の悲惨を描いている。収穫という豊かさの象徴と飢えに苦しむ若い女性を混ぜた寓話的解釈に興味を抱いた。
『子ども、女への壮大な記念碑』
2016年12月1日 ダリ展 (国立新美術館)
「シュルレアリスム(超現実)」という思考の具現化。現実を無視した驚異的な世界感を絵画や文学、映画で表現した稀有なアーティスト、サルバドール・ダリ。彼の想像力は一体どこから湧き出てくるのだろう。80分の長蛇の列に並び鑑賞しただけある刺激的な展覧会だった。はじめは平凡で拙い絵を描いていた。しかし、表現したい内容が見つかってからのダリの凄まじい才能の開花はいまや世界中を魅了する唯一無二の天才と称されている。燃えたぎる情熱は時を超え、ひたすら作品から伝わってきた。
『ホロフェルネスの首を持つユディト』
2016年12月6日 『クラナーハ展~500年後の誘惑~
(国立西洋美術館)
1500年代のルネサンス期に活躍した画家。息子にも自分と同じルーカス・クラーナハと名付けているので日本語表記では(父)と名前の後ろについている。本作は旧約聖書外伝に出てくる「ユディト記」のユディトを題材とした作品。多くの画家がこのテーマの絵を描いている。ホロフェルネスの生首を持つユディトの冷めた目とサイコパスのような奇妙な表情が特徴的。不気味であり妖艶なユディトを巧妙に描いている。
『フランス王妃マリー・アントワネット』
2016年12月18日 マリー・アントワネット展
(森アーツセンターギャラリー)
販売されていたポストカードの種類が少なかった。本当は資料番号No.190のウィリアム・ハミルトン描いた「死刑に処されるマリー・アントワネット」のポストカードが欲しかった。まるで殉職者のような表情で天を仰ぐマリー・アントワネットと、その彼女を蔑む民衆の表情がコントラストとなった妙に緊張感のある作品。華やかに生きた彼女の最期はとても厳粛で、カトリックの信仰を守って死と向き合う姿には心打たれた。
『薔薇とルノワールのブロンズ』
2016年12月24日 拝啓ルノワール先生
(三菱一号館美術館)
梅原龍三郎のことは今回はじめて知った。最初は「なんだルノワールの真似ごとか」と盛り上がることなく鑑賞していたのだが、終盤の作品にかけて見事にパワーのある作品ばかりで圧倒された。特に本作の「薔薇とルノワールのブロンズ」は力強い筆圧と色彩に感動した。他にも「艶子夫人像」の構図が素晴らしく見惚れた。ルノワールを模していくなかで、見出した梅原氏のオリジナル作品。また観たい。
『花の意匠を描いたガラスのランプ』
2016年12月25日 一誠堂美術館(常設展示)
仕事で現代ガレ(現在ルーマニアで製造)を販売していたことがあり、ガレについて勉強したいと思い訪れた美術館。フランスのアール・ヌーヴォーの時代に大変な人気を博し、1889年のパリ万博では陶器部門で金賞を獲得している。ガレがガラスや家具に描く生き物や植物はアール・ヌーヴォーの特徴でもある曲線で表現されている。ジャポニズムに影響を受けており、日本人が見てもどこか懐かしく感じる作品が多い。ガレを勉強していくうちに美術に興味を抱くようになった。
『横たわる裸婦と猫』
2017年1月4日 MOMAS COLLECTION (埼玉県近代美術館)
美術館スタッフの解説を聞きながら鑑賞した作品。レオナール・フジタ(藤田嗣治)。日本で生まれたが、フランスに帰化した画家。フジタの特徴は乳白色。一見薄い色使いに見えるが、何度も色を重ねている。浮世絵の影響を色濃く受けており、背景を黒にしている。キャンバスは自分で作っており、とても器用で家具なども自分で作っていたそうだ。セルフプロデュースがうまく、当時流行していた画風とは真逆を行く発想でヨーロッパで勝負できる作品を意識して描いていた。
『セルフポートレート(女優):ハラ・セツコとしての私』
2017年1月6日 横浜美術館(コレクション展)
直感的によいと思った作品。構図、被写体、背景、照明すべてが完璧に見えた。女優の原節子を原色にした一枚だと思う。気高い佇まいから画面いっぱいに気品が溢れ出ている。この展示会では他にも林忠彦、土門拳、篠山紀信といった錚々たる写真家の作品も展示されており、カメラマンによって被写体の表情は様々。一瞬を一枚に取り込む力は凄まじい。彼らのような表現者に至極憧れる。
『服飾・デザイン:アンニカ・リマラ』
2017年1月9日 マリメッコ展
(Bunkamura ザ・ミュージアム)
マリメッコはフィンランド語で「マリーのドレス」という意味。てっきりマリメッコという人が作ったブランドなのかと思っていた自分が恥ずかしった。マリメッコについての予備知識がないまま赴いた展示会だったので、個人的に刺さるものがなかったというのが本音。有名なケシの花柄のファブリックは代表作だけあって壁にかけられている作品のなかでも一際目について記憶に残った。日本のデザイナー(脇坂克二、石本藤尾)もマリメッコのデザインに関わった歴史があるのを知り身近に感じられた。
『横尾忠則ポスター集』
2017年1月15日 DISEL ART GALLERY
(DIESEL SHIBUYA アートギャラリー)
渋谷にあるDISELのフリーアートギャラリーで横忠則の作品を鑑賞。このポストカードのデザインと似た作品が展示されていたのだが、残念ながらそのポストカードは販売されていなかった。本作の女性と背景はそのままに、「YOO KOO SOO 上海へ」の作品に近いデザインだった。先日訪れた日本橋丸善の草間展でも同作が展示されていた。そこで横尾忠則の独創的な世界観の虜になってこの展示会にたどり着いた経緯がある。
『キリスト』
2017年2月4日 マティスとルオー展
(汐留パナソニックミュージアム)
ゴッホの展示会を訪れたとき、ルオーの作品をはじめて知り好きになった。厚塗りで描く人物像が特に好きで、縁を黒で太く描く作風は人物に圧倒的な存在感を与えている。ルオーとマティスの関係はゴッホとゴーギャンのように互いの才能に惹かれ合う関係だった。より高みを目指す画家どうしが競うように筆をとりキャンヴァスに向かう姿を想像して静かな美術館のなかでひとり胸が熱くなった。
『ラ・フランス』
2017年2月4日 マティスとルオー展
(汐留パナソニックミュージアム)
マティスは色彩の魔術師と称されており、色のコントラストは抜群にセンスのある人だと思った。ルオーとマティスは同じ学校で同じ先生から芸術を学んでいた同窓生。卒業後も手紙のやりとりは頻繁に行われていた。マティスの方が理知的な顔でルオーの方が柔和な顔している。一見仲良くなるタイプには見えないが、才能が運命に共鳴して二人を固い絆で結ばせていたのかもしれない。マティスが先に亡くなり、それまで続いた手紙のやりとりは終わる。その歴史はなんと50年。生涯にわたり互いに芸術に向き合ってきたマティスとルオーの友情に感動した。
『ダナエ』
2017年2月12日 ティツィアーノとヴェネツィア展 (東京都美術館)
イタリアの盛期ルネサンスの画家ティツィアーノを中心とした展示会を観てきた。本作のモチーフはギリシャ神話に登場する「ダナエ」である。黄金の雨に化けたユピテル(ゼウス)と混じり合ったとされる場面の構図を描いている。ダナエの官能的な眼差しの先に煙のようなモヤから降り注いでいるのが黄金の雨なのだろう。隣に立つ天使すら頬を紅潮させ、降り注ぐ黄金に目が釘付けである。ダナエの女性としての性的魅力を胸ではなく、たおやかな二の腕や少しはみでたお腹に表現しているように感じた。
『格子柄のブラウス』
2017年2月24日 オルセーのナビ派展
(三菱一号館美術館)
「ナビ」とはヘブライ語で預言者の意味。19世紀末のパリでゴーギャンの美学から影響を受けて結成された前衛的な若き芸術家集団。自らを新たな美の「預言者」と称していた。本作はボナールの作品。浮世絵風の縦長にするためキャンバスの両端を切断している。また、女性の着ているブラウスの格子柄の平面性を強調するのにも縦長の画角は利用されている。当時の画家たちにインスピレーションを与えた日本の浮世絵をはじめ、日本文化はナビ派の作品群から顕著に読み取れた。西洋を知り、日本を知る。皆繋がっているのだと思った。
『ボール』
2017年2月24日 オルセーのナビ派展 (三菱一号館美術館)
本展示会でヴァロットンが自分のなかで一番輝いていた。今回はじめて知った画家なのだけど惚れた。麦わら帽子の女の子が赤いボールを追いかける先に見える深淵の茂みが今にも女の子を呑み込もうと企んでいるかのようで恐ろしい。遠くにいる母親?はそれに気づかず友人とおしゃべりしている。その間、ボールを追いかける女の子はどんどん遠くなっていく。子どもに迫る危険に気づかない大人。まさに子供と大人の境界線を象徴した秀逸な作品。
『舟遊び』
2017年3月17日 国立西洋美術館(常設展示)
〜ナイトミュージアム〜
美術館のスタッフによる解説付きのナイトミュージアムに参加した。スタッフの方の丁寧な解説とともに作品を鑑賞していくと、これまでとは違った見方ができて造詣が深まっていくのを感じた。エプトル川で舟遊びをしている2人の女性を描いた本作は、モネの2番目の妻の連れ子、ブランシュとスザンヌがモデルになっている。特徴は2人の顔は描かず、水面に映った空の色、光をポイントに描いているところ。船の舳先をあえて画角に入れず、大胆に切り取った構図にしているのは「浮世絵」の影響によるもの。モネは色が混ざらないようにパレットに出した絵の具をそのままキャンパスに塗りたくっていた。
『第三の男(映画ポスター)』
2017年5月6日 映画に魅せられた文豪・文士たち
(石神井公園ふるさと文化館)
ふるさと文化館のある石神井公園の自然の豊かさに感動。ゴールデンウィークなのに人が少なく、のんびりとした空気が流れ、気持ちの良い風と新緑の香りが都会の気忙しさを忘れさてくれた。展示会場のなかはさほど広くなく、展示物の数相応の金額(300円)で鑑賞することができた。古き良き時代の映画ポスターが壁一面に飾られており、その傍に日本の文豪、文士らの批評や感想が添えられていた。ポスターも文豪も知らないものが多く勉強になった。彼らが自ら足を運んで鑑賞した映画の感想は読んでいて臨場感があった。
『《スラヴ叙事詩》展(ポスター)』
2017年5月6日 ミュシャ展
(国立心美術館)
エミール・ガレを勉強していくなかでアール・ヌーヴォーの作品について学ぶことが多くなり、そのときミュシャに出会った。このミュシャ展では自身の民族についての叙事詩作品がメインに展示されており、虐げられてきたスラヴ民族の悲哀を描いたものが多かった。現物のサイズはこれまで観てきた絵画の中でも特大級で迫力満点の作品群に感嘆した。キャプションを読みながら絵についての思想を学んでいく中で、ミュシャのイメージは刷新された。民族意識が高く、フリーメーソンの幹部であり、チェコの紙幣や切手のデザインも任されていた。そして最後はナチスに拷問され死期を早めるという波乱に満ちた人生を送ったミュシャを知ることができた。
『かぼちゃ』
2017年5月15日 草間彌生 我が永遠の魂 (国立新美術館)
テーマとして草間彌生が選んでいる愛、平和、宇宙、死、そして男根。これらがカオスとなって自分でも表現しきれない観念が彼女自身を苦しめている。幼い頃から水玉模様が頭の中に浮かび、それを書き出すことによって自己の解放をしていたそうだ。理解はできないが、創作への尽きることのない意欲、情熱には熱いものを感じた。前衛芸術家として彼女が必死に戦っている正体は「自分」という存在証明ではないだろうか。
『スペインの女優』
2017年6月22日 ランス美術館展
(東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館)
フランスのランス美術館の収蔵作品の展覧会。新宿駅の西口よりコクーンビルの次に目立つ損保ビルの42階に当美術館(現在はSOMPO美術館)はある。このときはじめて東郷青児という画家をっ知った。常設展示には彼の作品も展示されていた。独特な作品の数々。なかでもこの「スペインの女優」がが気に入った。ぼやけた輪郭を色彩で補った美しさの表現が素晴らしい。
『聖母マリアの少女時代』
2017年6月10日 大エルミタージュ美術館展
(森アーツセンターギャラリー)
女帝エカテリーナ2世が世界中から収集した美術品を収めているエルミタージュ美術館の展示会。はじめて知る画家の作品が多く展示されており発見の連続だった。なかでも都市景観図を主に描く画家の作品に一際興味が沸いた。時代を象徴する建物が写実的に描かれておりとても美しかった。本ポストカードの聖母マリアの少女時代の絵も非常に美しかった。神に祈りを捧げるマリアの表情がとても愛らしく神々しい。美化されたデフォルメと認識しつつも、いのちが宿っているように見えた。
『腕を組んだバレエの踊り子』
2017年8月11日 ボストン美術館の至宝展
(東京都美術館)
10代の頃ボストンをひとり旅していたとき、ボストン美術館に足を運んだことがあった。見たこともない大きなキャンバスに描かれた宗教画の数々に圧倒された。日本の美術館とは比べものにならないくらい広くて大きい館内では、名画の前でイーゼルにキャンバスを立てて模写する若き芸術家の卵が幾人もいた。そんな追憶をたどって過去の感動と比較しながら観覧したので、本展示会は少し物足りなかった。それでも素晴らしい作品はいくつも展示されていた。そのひとつがこのドガの「腕を組んだバレエの踊り子」。本作は未完成品。作中にドガが亡くなってしまったのだ。どこか影のある踊り子。悩ましい表情の所以を想像するといつの間にか引き込まれてしまう強烈な引力のある作品。もし自分に美術的素養があり専門用語を操れたなら、この作品をどのように讃えられただろう。
『《冬》』
2017年8月25日 アルチンボルド展
(国立西洋美術館)
アルチンボルドに興味を持ったのは、NHKの教育TVで放送されていた子供用のアニメをたまたま見たのがきっかけ。「野菜たちのランウェイ」というアニメ。いろんな野菜を寄せ集めて擬人化したモデルがパリコレのようなステージでランウェイするという内容で、挿入歌も一度聴いたらクセになる面白い作品。アルチンボルド展のチラシを見つけたときは、走馬灯のようにこのアニメのことを思い出した。現代においては幅広く芸術の分野も細分化されているので、野菜を寄せ集めて人の顔に見たてるといった技法も特段珍しく感じないが、恐らくこの種のパイオニアはアルチンボルドなのだろう。発想力を精緻な表現力で補っているので、野菜や植物が人に見立てられるのだ。
『誕生日』
2017年11月14日 シャガール 三次元の世界 (東京ステーションギャラリー)
シャガールの知識ゼロからの鑑賞。ただ名前と作品はいつの間にか記憶にあって、今回の展示会で見聞を広めてみようという試みのもと入場。実に幻想的な世界観。キャプションを読まないと作品の意図にたどりつけないがそれも楽しかった。本ポストカードの宙に浮いている首の折れた男の表現など一見不気味でしかないが、実は自分の誕生日に花束を持ってきた恋人への歓喜の表現を描いている。独特な世界観にダリのようなシュルレアリスムを感じ、三次元的な物の配置にはキュビズムの要素が見受けられた。ルオーやマティスといったフォオービズムの印象にも近く、芸術的にいろんなものを融合させた作風がシャガールの持ち味と感じた。
『レディ・ジェーン・グレイの処刑』
2017年12月15日 怖い絵展 (上野の森美術館)
中野京子著作の「怖い絵」という本が大流行し、その企画展のような形での展示会。素晴らしい企画の大勝利!美術ファンだけでなく、読書家、新しい物好きのお客さんを美術館に集めることに成功していた。おかげさまで80分の大行に並んでの来場。絵を見て感じ取れという鑑賞法だけではなく、秘められたストーリーを読み解く楽しみ方を提供してくれる展示会だった。キャプションがストーリー仕立てで読んでいてワクワクした。歴史という事実の後ろ盾がより怖さを助長させる内容となって解釈の方向性に真実味を与えているのだ。浅学の自分にとってはキャプションも美術鑑賞のうちなので非常に楽しみがいのある内容で大満足。
『ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ』
2017年12月23日
ロートレックとアートになった版画とポスター展
(三菱一号館美術館)
ナビ派の版画、ポスターを観ることができた。ヴィヤール、ドニ、ボナール、などその当時絵画の第一線で活躍した人たちの感性を生かした商業用のポスターがずらり。広告用の絵がもてはやされ、アートとして認められていた時代。ロートレックはその中でも一番人気のアーティストだった。本ポストカードの作品がきっかけで彼の人気は確固たるものとなった。現代で例えるとデザイナーに近い芸術家だったと思う。ジャポニズムの影響をもろに受けていることがどの作品からも感じ取れた。
『指月布袋画賛』
2018年10月21日 仙涯礼賛 (出光美術館)
百田直樹の「海賊と呼ばれた男」を読み出光美術館の存在を知った。それから何度か足を運び様々な展示会の鑑賞をした。何より出光佐三が愛した仙涯の絵をこの館で見たく、待ち望んでいたことがようやく叶った。全ての作品を鑑賞したなかで一番気に入ったのがこのポストカードの指月布袋画賛である。なんとも愛くるしい布袋さんが可愛くてたまらない。元祖ゆるキャラと言っても過言ではないと思う。この絵の意味は、「真理」=「月」が禅宗での表現であり、真理を悟るために指で月を指すが、月を差した後その指は無用のものと考える、という深い意味が込められているそうだ。仙涯は大衆に広く理解してもらうためにあえて噛み砕いた絵の技法(現代のマンガのような)で禅を広めようと考えたそうだ。
『叫び』
2019年1月20日 ムンク展
(東京都美術館)
最終日に訪れたので待ち時間はなんと100分超!長蛇の列に怯んだが、今日逃したら2度と観る機会はないと言い聞かせ蛇の尻尾になった。ムンクの作品は「叫び」しか知らないので展示物のほとんどが初めて目にするものばかり。「叫び」の前にはさすがの人だかり。思った以上に大きなキャンバスで描かれており、少し見上げるかたちで鑑賞した。自然の叫びに耳を塞ぐ自身を描いた本作は生で観ると迫力ある作品だった。絵画の飾られている壁のスペースにムンクの残した言葉がテーマごとに大きく紹介されていた。「私は見えるものを描くのではなく、見えたもの描くのだ」この言葉が心に刺さった。
『帽子と毛皮の襟をつけた女』
2019年3月13日 カタルーニャ美術館(常設展示)
(スペイン バルセロナ)
仕事で訪れたスペインにて自由時間を使いひとりで訪れた美術館。1時間しか与えられなかったので駆け足で館内を巡回。日本語の音声ガイドをレンタルしたが聞く暇はなかった。できる限りたくさんの作品を鑑賞することが使命だった。広い館内を全てまわることはできなかったが、素晴らしい作品に出会うことはできた。そのひとつがこのポストカードの作品だ。ピカソの愛人「マリー・テレズ」の肖像画。ピカソが45歳のときパリの街でマリーをナンパして交際がスタート。このときマリーの年齢は17歳…。赤い帽子と緑の髪に黄色い顔。印象的な色使いとキュビズムの表現が加えられ一度見たら忘れない傑作。個人的にはこれまで見てきたピカソ作品のなかでもかなり上位。1時間のうちに見つけられてよかった。
『Granadina』
2019年3月13日 カタルーニャ美術館(常設展示)
(スペイン バルセロナ)
このポストカードの作品を描いたのはエルメネヒルド・アングラーダ・カマラサというスペインの画家。日本ではあまり認知されていない。本作は大判のキャンバスを使用した大型作品。虚で幻想的な表情の女性を魅力的に描いている。紫の衣装と黒い背景が女性のミステリアスな雰囲気をさらに引き出している。この展示会場にはダリやピカソ、ミュシャといった有名画家も展示されていたが、カマラサの絵はそれらの画家に負けないくらい素晴らしかった。
『ユディトⅠ』
2019年4月24日 クリムト展
(東京都美術館)
これまでユディトをモチーフにした絵をいくつか観てきたけど、クリムトほど恍惚にん描いたものは初めて。男の生首を持ってこんな表情になるだろうか。そこで想像してみた。ユディトはホロフェルネスと情事を交わした後、隙をついて首を切り落とした。クリムトはその直後のユディトの内面を描きたかったのだと思う。神から与えられた仕事を成し遂げた解放感と敵を打ち倒したエクスタシーが全面に表現されている。ユディトはいろんな画家が描きたがるテーマだ。弱者が強者に打ち勝つという構図は画家が絵を自由に描きたいと渇望の表れなのかもしれない。本作のユディトからクリムトは油彩画に金箔を含める技法を生み出した。そんな伝説の始まりを生で見ることができ感動。額縁も金で作られており、そういった画家の工夫も美術館でしか味わうことができない。絵は本物を見ないと、と改めて実感した。
『ピアノを弾く妻イーダのいる寝室』
2020年2月1日 ハマスホイとデンマーク絵画
(東京都美術館)
以前、別の絵画展を鑑賞した際にハマスホイのこのポストカードの作品に出会った。そのとき、ハマスホイも知った。どこか不気味で不穏。なのになぜか惹きつけられる本作に魅了された。今回の展示会もこの絵がきっかけで来館。再度、絵の前に立って鑑賞したが、同じように感動した。デンマーク絵画に知識はないが十分に楽しむことのできる展示会だった。柔らかな光の世界。色のコントラストを控えめにした優しい情景の数々。北欧の環境によって生みだされた光のセンス。特にハマスホイの作品は素晴らしかった。白黒のコントラストで表現された人物の後ろ姿や光の入れ方はどこか寂しく冷たい空気が漂い、異世界へと誘われているようで手を伸ばしたくなるものばかりだった。
『シカゴ時代の写真』
2020年10月16日 石元康博写真展 (東京都写真美術館)
石元康博氏のことを知らずに来館。キャプションを頼りに作品の趣旨を読み解きながら鑑賞。かっちりとした見本のような作品もあれば、「シブヤ、シブヤ」のようなファインダーを覗かず撮影した臨場感のある写真もあり、その表現方法はさまざま。展示会のテーマは大きく分類すると「シカゴ」、「東京」、「桂離宮」、「多重露光」、「渋谷」をテーマに展示されており、同じ写真家のものとは思えないほどバラエティ豊かだった。なかでも桂離宮の日本家屋を美しく切り取った作品群には感動した。モノクロ写真の世界で表現されたワビサビに造形としての美しさを遺憾無く切り取る画角のセンスには驚いた。石元氏のファンになった。若い頃、シカゴで写真を学んだ経験が日本の風景を切り取る際に大きな影響を与えているのがわかる。俯瞰した審美眼による「日本」を見せてもらえた気がする。
最後までご覧いただきありがとうございました。
改めてこれまで収集したポストカードで作品を振り返ってみると新たな発見の連続でした。
裏書きされた感想文の文字は乱雑で文法も破滅的。しかし、感動したことを残したいという自分の強い想いが詰まっており続けてきてよかったと思います。
今回その崩壊した文章をキャプションにするため何度も校正しました。
浅はかな知識に拙い表現ではありますが、当時の想いを大切にまとめています。キャプションを読んでくださった方には心から感謝申し上げます。
本サイトは美術館のような鑑賞方法をWEB上で表現するにはという着想を元にしています。
ポストカードの背景はスポットライティングされた白壁を選び全体的なトーンを落ち着かせ、作品ごとにボーダーで色分けし額縁として装飾しています。展示会場を歩いているイメージはjqueryのAOSを使いアニメーションの実装をしています。
いかがでしたか?美術館に来館したような気分を味わってもらえたでしょうか?
少しでも楽しんでもらえたなら制作者として光栄です。
今回、使用したAOSに興味を頂いた方は下記にサイトのリンクを貼りました。
簡単なので是非試してみてください。
ご来館ありがとうございました。
またのご来館をお待ちしております。
Vincent pen